雨男達の挽歌/シルバーアクセサリー

私、雨男です。
６月生まれだからかな・・・。
でも、雨、キライです。
雨が降っているだけで、気持ちが不安定になります。

むかし、小学校の６年生の頃かな・・
仲のいい友達が二人いて
毎日のように遊んでいた時期がありました。

あるとき、なにげない会話の中で
「私は雨男だ」と告白する機会がありました。

するとどうでしょう、
友達ふたりも雨男だというじゃありませんか。
　うれしかった。
仲のいい友達だけに連帯感を持てたことが
たまらなくうれしかった。

だから私は
「もしも３人でどこかに行ったらどうなるかな？」
と、軽い気持ちで提案したのです。
友達は「大雨ふるぞー」と笑っていました。
　そのころ３人とも見たい映画がたまたまあったので
集合時間やもろもろの計画を立てて出かけることにしました。
　前日の朝から楽しみでした。
それほどまでに見たい映画だったのです。

　当日、吹雪になりました。

そして、その年最高の降雪量をマークしたのです。
半ズボンの少年たちは死ぬような思いをしました。

それからというもの私たちの関係は疎遠になっていき、
悲しい、悲しい、大人への一歩を踏み出したのでした。