妻がガンダムのテレビゲームソフトを買ってきた。
一体どういうわけかというと、それはつい先だってのこと。
友人宅にお邪魔した時にテレビゲームをする機会があった。
その時やったのが「ガンダム」だったのである。
意外と「二人で協力して出来るゲーム」というのは少なく、
元々ゲームをする習慣のない二人であるだけに
そんなゲームがあることを知らなかった。
この「ガンダム」というゲーム、やってみると中々楽しい。
間違って妻をビームサーベルでなぎ倒したり、
後ろから撃たれてるなと思ったら妻だったりと、
「気品」の中に黒いユーモアもあり、ウィットにとんだ面白さがある。
そういった経緯があって妻が中古屋で安く買ってきたのであった。
妻と、「ガンダム占い」というものをやったことがある。
その時に判明したのが、女性であるだけに、
モビルスーツの名前を知らないらしい。
自分では常識と思っている、メジャーどころさえ知らないのだという。
そこで買ったゲームを始める前にクイズ形式にして教えることにした。
「じゃあ中央に写ってる、この白いモビルスーツは?」
『知らないよ〜』
「主人公だよ?!これがいないと話進まないんだよ?」
『あ、ガンダム!』
「あたりー、じゃあ、こっちの白いのだけど、まずはヒント!
会社の中で書類作成したりデスクワークするお仕事!」
『庶務』
「おしい!」
『事務?』
「正解!!答えはジム、 じゃあ次、
まずはヒント、こっちのヤツはタンクがついてるからガンタンクって言うの、
でね、この赤いのだけど両肩に二本付いてるよね、これがポイント!」
『ガンツイン』
「おしいっ!ガンまでは良かった、そんな感じだ。
でも二本である必要はないの、一本でも良い。なにが付いてるかな?」
『バズーカ?あ、ガンバズーカっ!』
「更におしい!何とか砲っていうじゃん。ヒント、カメラのメーカー!」
『え〜?、オリンパスぅ、キャノン、富士ぃ…』
「そう!すでに答え言ってるよ!ガン富士だとおかしいだろ?」
『キャノン?キャノンガン?』
「…っ!なんでそこでひっくり返せるんだよ!!どうしたらそこまで言って外せる訳??」
という疲労ばかりが募るやりとりを繰り返し、
最終問題まで来た。
この頃になると妻はすでに面倒くさくなってきた様子。
「じゃあ、最後にするから、最後はこれ!ラスボスだから」
とゲームのケースを片手に、
「答えはここに書いてあるに等しいよ、えーっと連邦軍対ジオン軍だよね、
これは敵のモビルスーツだから?」
『じおん』
「おしい!50%あってる!」
『じゃあ、ジオ』
「それはZガンダムのラスボスだね!そんな感じだけど、ベクトルの向きが違う」
『ジン?』
「いや、短すぎ!ひねらなくっていいから!
ヒントだけど、文字のMAXがジオングンだとして、ジオンだと短すぎ、
ジオだと更に短すぎ、とすると…?」
『………おんぐ…』
「っ!なんでここまで来て外せるんだっ?!! モビルスーツ勝手に開発すんなよっ!!!」
結局、「ジオング」 という答えを導き出す間に、
幾度となく逃走を図ろうとする妻を
無理やり椅子に拘束するなどの強引なまでの強制が必要となったのだが、
ラスボスの名前になんのひねりもなかったことが彼女はいたく不満のようだった…