珍獣/シルバーアクセサリー

ふと、すれ違った高校生がボンタンを穿いていた。

少し前までストレートのズボンを
お尻で穿いていたと思ったが。
ブームというのは一定のサイクルでやってくるものだ。
でも、ボンタンをお尻で穿いて、パンツを見せていた。
結局、見せるんだ。と、少しアンニュイな気分になりました。
夏場はいいけど冬場はちょっとねぇ。
おなか壊さないといいけど…

ボンタンは
太ももの部分が広く、足首に向かって細くなっていく
「大工さんが穿いているような作業ズボン」は標準的なデザイン。
ポケットに手を入れ、肩で風切るように歩くと、
まるで蝶々。
たくさんのバタフライがタバコ葺かせながら
街中を堂々と歩く姿を最近よく見かけます。
可愛いものです。
採集して路地裏に標本を作っても良いでしょう。
先生から「頑張ったで賞」をもらえること請け合いです。
夏休みの自由研究にいかがでしょうか？

他には、ドカンといったものなどもありますが、
最近は新しいデザインもあるのだろうか。


ボンタンといって思い出すのは
高校の入学式。
前回記したように、私は既成の制服を持っておりませんでした。
と、いうか制服は高い！
で、母親に
「どうせ穿かないのに高いものを買うことはない！」と
入学前から高校生活のあり方を全面的に否定する形で
ボンタンを新調した。

入学式当日。
入学式ともなれば、たくさんの先生、ご父兄、役員の方々がいらっしゃいます。
真新しい制服に身が引き締まる思いで
式に臨む新一年生。
その紺色の群れの中で
私のボンタンはひときわ異彩を放っていた。

通常よりも幅広な、それでいて控えめなベルト・タック。
太腿に吸い付くようなシルエットは
脹脛を越える頃になると、足首に向かって急速に吸い込まれていく。
キング　オブ　タイト。
他にこのフォルムを表現するに相応しい言葉はない。

厳戒令が暗黙でしかれる式の中で
もっこり寸前のピチピチズボンを穿く。
ある意味、露出狂よりタチが悪い。


それを見ていた母親と友人の母親たち。

「とっても足首の細い制服ね！どうやって穿いたの？ゴム？」
ジャージじゃないんだから。

聞かれた母親は
「あの子は少し、強引なところがあるから・・・」
足首の所にファスナーがついているの！

ファッションのなんたるかを全く理解しておらん！

だがその前に校則違反。