走れ!!/シルバーアクセサリー

走れ!!。シルバーアクセサリーが生み出すアートなブランド。個性をもったシルバーアイテムは世界にたった一つしかない手作り作品です。

走れ!!

突然ですが、私、骨フェチです。
あの機能美がたまらなくステキ!
もぅ骨盤なんかギュっと抱きしめたくなる。
そんな私ですが、
理科室にあった骨格標本が欲しくてたまらない
今日この頃であります。

さて、なんでまた「骨」に美しさを感じるかというと
これが人間の不思議なところで、
どうやらトラウマが関係しているようであります。
絵に描いたようなマニュアルぶりではありますが、
別に、虐待されていた訳ではありません。
わたくし、愛情を受けて育っておりますから。

トラウマといいますと、
悲劇のドラマを彷彿されられますが、
そんなもの日常にごろごろしている、この世知辛い世の中でありますから
私なんぞの話など、めずらしいものじゃございません。


話はさかのぼること十数年前、中学2年生の、雨の多い時期のこと。

エネルギーに満ちあふれた14歳でありますから、
こう毎日と雨が降るようだと、体がなまってしかたありません。
休み時間になりますと、男子は気が狂ったように廊下を走り回ります。
「うーるーさーいー、男子ー!」など、女子のヒステリックな
効果のないバッシングにも自然と力がこもるのであります。

未来への期待と不安を抱えた、大事な時期。
これはそんな頃の話なのです。

連日続く雨のせいで、外で遊べず、
部活も室内トレーニング。
もんもんと毎日を過ごしていましたが、
さすがにこう何日も雨が続くと、廊下を走り回るだけでは
あまりに退屈すぎる。
そこで一計を案じた悪ガキ10数人!
「第一回 校舎2〜3階を使った、鬼ごっこ大会 in 昼食後の長い休み時間」を
開催することを表明した。
他のクラスの男子を混ぜての、この一大プロジェクトは、
水面下において、おおいな反響を博し、
開催前(4時間目)には興奮のあまり、便意をもよおす者もあった。
(本人曰く、授業中なら気兼ねなく、ふんばれるとのこと)

波乱含みのスタートとなりましたが、
お日柄も良く、絶好の開催日和です。
皆、目を輝かせ、ある人はむやみに飛び跳ね、ある人は弁当を口に含んだまま。
いよいよスタートです!

「・・・20分がすぎたか・・・」
幸運にも鬼にならずにすんだ僕は、
他のクラスに入り込み、ブッシュの中(部活友達の群の中)に身を潜めていた。
外は危険だ・・・わずかな油断が、身の破滅を招く。
次々と捕まっていく仲間達、僕は彼らを救うことすら出来ない。
・・・だが・・・退屈だ。

ドアからそっと廊下を覗くと、捕まり、奴隷と化した友人達が
「みんなー、早く出てこいよー!」とあからさまに退屈していた。
思わず吹き出した僕であったが
先に見える負け犬達の群の中に一人の男の姿を認める。
1秒間の空白のあと体に電流が走る。

奴だ!

そう思った瞬間、
顔を半分突き出した間抜けな姿の僕を、鬼も発見した。
目が合うなり、
「み〜つ〜け〜た〜!」と
親の敵でも見つけたかのような形相で、
一匹の獣は僕へと走り出りだした。
大地を蹴るそのしなやかな肢体が、目前へと迫る。
そして奴の咆哮は、僕の中の獣を呼び起こした。

後ろを振り返ることなく、
ただ一心に走り続けることで、「生」を実感する。
そこには、どんな邪な考えもなく、不安や絶望もない。
くだらない思考に支配された世界をかけぬけ、
ただ純粋に生きるのだ。

階段を一息で飛び降り、一気に階下におりると、
廊下の先に見えるトイレをめざす。
熱を帯びた僕の体は、走ることだけに集中し
皆が運び入れた雨水で濡れた廊下を電光石火で駆け抜けると、
女子トイレの前で、すべってこけた。

ズシャーっと滑り続け、男子トイレの入り口に、すねと顔面を打ちつけ
どうにか止まることが出来た。
興奮していて痛みを感じなかったが、トイレの中に逃げ込み、
ズボンをまくり上げ、すねを見てみる。

・・・白い?

すりむいたようではあるが、傷口が白かった。
なんで??

よくわからなかったが、
とりあえず保健室に行き、消毒してもらうことにした。

・・・保健室の先生が、じっと僕のすねを見ている・・・
ストーブのせいで汗ばむ程に暖かい保健室には
女子生徒が数人いた。
男は僕一人だ。
先生は上気した顔を僕に向け、潤んだ瞳を僕の視線と重ね合わせる。
数秒間の沈黙のあと、
彼女は、はにかむような笑顔で、
「・・・骨、出ちゃってるね・・・」
といった。
続けざまに
「こんなキレイな骨めったに見れないよ」と
女子生徒を誘った。

えーい、見せモンじゃないぞ!
ババァ、爪で骨を弾くなっ、痛いっつーの!

と、心の中で叫びつつも、外見的には冷静を保っていた。

骨が出ていると知り、多少、いやかなり動揺したが、
それ以上に僕は自分の骨の美しさに魅せられていた。
「生きている骨」は半透明のような乳白色をしている。
写真で見るようなただの白い固まりではなく、
鍾乳石の輪切りのように、深い色をしていた。
なぜだろうか、自分の中に、別の誰かの「生」を感じた。

結局僕は病院に行き、8針縫うこととなり、
一ヶ月近く、安静にしていなくてはならなかった。
夏はもう目前に迫っていた。


そんなことが、あったせいなのかどうかは分からないが、
そのことが、今の僕の「骨フェチ」に関係しているようでならない。


だが、そんな僕だからこそ声を大にして言えることがある。


廊下を走ってはいけない。
 

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